【1】「考えすぎて疲れる」その裏で何が起きているのか
最近、こんな状態になっていませんか?
・些細なことが気になる
・同じ悩みをずっと頭の中で繰り返す
・先のことを考えすぎて眠れない
・休んでいるはずなのに疲れが取れない
・肩こり・首こりが慢性化してきた
どれも“心の問題”というより、
身体が悲鳴を上げているサインかもしれません。
人は不安や心配が続くと、
自律神経が乱れ、
呼吸が浅くなり、
筋肉が固まり、
内臓まで緊張します。
つまり、
過度な不安や心配は「心が疲れる」だけではなく、身体を直接壊していく力を持っているのです。
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【2】不安が身体を壊すメカニズム
ここでは“なぜ不安が身体を壊すのか”を本質的に解説していきます。
① 自律神経が興奮し続けてしまう
不安を感じると、
“危険から身を守るため”に交感神経が働きます。
〈交感神経が優位になると〉
・筋肉が緊張する
・呼吸が浅くなる
・脳が休まらない
・内臓の動きが弱くなる
・血流が悪くなる
これが 不安 → 不調 → さらに不安 の悪循環を生みます。
② 内臓が固くなり、痛みが出る
不安や心配は、内臓に直接反応します。
胃 → キリキリ痛む
腸 → 動かなくなる、便秘・下痢
肝臓 → 血流が滞り、右肩が張る
横隔膜 → 固まり呼吸が浅くなる
内臓は筋肉よりもストレスの影響を受けやすく、
内臓が緊張すると背中・腰・肩の痛みに直結します。
③ “動きの癖”がさらに悪化する
不安が強い人ほど、次のような身体の癖が出ます。
・肩が上がる
・猫背になる
・顎が前に出る
・歩き方が重くなる
これは、身体が“守りの姿勢”に入るからです。
守りの姿勢が続けば続くほど、筋肉・姿勢・呼吸がどんどん固まります。
④ 脳が「危険」と誤認し続ける
不安は、脳に“危険が続いている”と誤ったメッセージを送り続けます。
その結果、
・寝ても脳が休まらない
・起きた瞬間から疲れている
・集中力が落ちる
・やる気が出ない
心と体のバランスが崩れ、
本来の力が発揮できなくなっていきます。
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【3】現代人の不安が強くなっている理由
ここ数年、不安・心配が強くなる人が急増しています。
その理由は、個人の性格の問題ではありません。
① 情報が多すぎる
SNS・ニュース・広告など、
脳が休む瞬間が確実に減りました。
② スマホとデジタル疲労
画面を見る時間が長いほど、
脳が刺激され続け、自律神経が興奮状態に。
③ 人間関係のストレス
オンライン化によって、
“薄い繋がりのストレス”が増えています。
④ お金・将来への不安
現代は未来予測が難しく、
常に「備えておかないと」という緊張が続きます。
⑤ 時間の余白が消えた
休んでいる時間でも頭が働き続ける人が多い状態。
これらが積み重なると、
自然と“身体が壊れるほどの不安”が蓄積されていきます。
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【4】不安を減らすために、まずやるべきこと
不安を減らすために必要なのは、
「不安をなくす努力」よりも
“身体を整えて不安を感じにくい状態を作ること” です。
そのポイントを、整体・心理学・脳科学の観点からまとめます。
① 呼吸の深さを取り戻す
不安なとき、人は必ず呼吸が浅くなります。
呼吸が浅いと、脳は「危険」と判断し続けます。
・肋骨
・横隔膜
・胸郭
をゆるめるだけで、
不安が自然と軽くなる方が多いです。
② 内臓の緊張を取る
内臓の緊張をゆるめると、
自律神経が大きく整います。
特に、
胃・腸・肝臓の硬さは不安の原因になりやすいポイント。
優しいタッチで内臓が動きやすい状態を作ると、
気持ちが落ち着く方も多いです。
③ 動きの癖・姿勢の癖を改善
不安が強いと姿勢が崩れます。
逆に、姿勢が整うと不安が落ちやすくなります。
・肩の力を抜く
・骨盤の位置を整える
・背骨のしなりを戻す
これだけでも“心の余裕”が生まれます。
④「安心できる環境」を一つでも持つ
人は不安があると、
安心できる場所・安心できる人の存在が必要になります。
整体の時間は、
“安心できる環境”として作用し、
身体が自然とゆるむ方も多いです。
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【5】不安を減らすための生活の土台
不安を自分で増やさないために、
次の5つが非常に効果的です。
① 体に良いルーティンを作る
起床・食事・寝る時間のリズムが心を安定させます。
② 栄養の偏りを避ける
腸が整うと、不安は確実に軽くなります。
・タンパク質
・発酵食品
・食物繊維
・水分
この4つが鍵。
③ ストレスを“溜めない環境”に近づける
ストレスの多くは
人間関係・お金・時間 の3つ。
この3つが整うほど、不安は自然に減ります。
④ 最低限の知識をつける
不安は「知らないこと」から生まれます。
自分の身体を理解するだけで、
不安の半分は消えます。
⑤ 自分の感覚を理解する
「今日は疲れている」「これは無理」
こうした感覚がわかることが、
不安を防ぐ最大の予防です。
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まとめ|不安は身体で整えることができます
過度な不安や心配は、
心を疲れさせるだけでなく、
確実に身体を壊していきます。
でも逆に、
身体が整えば、
不安は驚くほど静かになります。
“心が弱いから不安になる”のではありません。
身体のバランスが乱れているから不安が強くなるだけ。
あなたの身体には、
まだ使われていない余白と回復力が残っています。
まずは、“身体の緊張をゆるめる”ことから始めてみてください。
そこから心が整い、毎日が軽くなっていきます。